少子高齢化社会に合わせて、高齢者介護を社会全体で支え合うことを目的として作られた法律が介護保険法です。従来の老人福祉や老人医療制度による対応に限界がきたため、自立支援、利用者本位、社会保険方式を3つの柱に据え、2000年から介護保険法は施行されました。自立支援と利用者本位とは、高齢者が主体になって必要とするサービスを選び、自立した生活を送れるようになることを目的にしています。社会保険方式とはその費用をどのように負担するのかについて規定しているものです。
このような介護保険制度が施行されたことで、今まで市町村や公的な団体に頼っていた高齢者福祉が、利用者が自ら事業者を選び、ケアプランを作ってもらい、それを基に様々なサービスを受けられるように変わりました。今まで別々に申し込んでいた医療と福祉のサービスをケアプラン作成により総合的に受けられるようになったことは大きな変化と言えるでしょう。
また、介護保険法は3年ごとに見直されていますが、幾度かの改正の中で、介護保険法が重視する目的が介護そのものから介護予防重視になってきています。このため、地域包括支援センターが2005年の改正で各市町村に設置されることが決められました。
高齢者の自立と必要な人に必要なサービスを届けるという介護保険法の目的から地域包括ケアシステムは今後もますます重視されていくことでしょう。高齢者と地域住民、行政、事業者が手を取り合って明るく活力のある超高齢化社会の構築を実現していくことが、介護保険法の目的とするところだと言われています。